今回はいよいよ桶狭間の戦いでした。信長の決断から戦いまでの流れがドラマ内でもとてもスピーディーで今回特に45分があっという間でした。
<出来事>
元康の決断/敦盛/義元の陣の様子/十兵衛参陣/善照寺砦での軍議/元康動かず/いざ決戦/十兵衛と信長/駒と東庵/最後のお灸
元康
元康は母(於大の方)からの手紙を読んで、どちらにつくか一度揺れますが織田についたところで今川の大軍の前では織田・三河ともに斬り捨てられると判断し、引き続き先鋒として戦うことを決めます。一度決めたからにはしっかり自分の役目を果たす様子が印象的でした。
織田方の砦を落として帰参すると、鵜殿長照から義元が三河守に任ぜられたことを聞きます。三河の領主となることを何よりも望んでいた元康にとっては、この行為は義元に対して信頼を失った決定的な場面だったと思います。
義元が三河守を朝廷にわざわざお願いしたのはどうしてだろうと思いましたが、軽く調べたくらいでは分かりませんでした。義元としては織田を滅ぼす前に元康に伝わったのは誤算だったのかもしれませんし、逆に元康に伝わることで元康の三河独立の気持ちを折りにいったのかもしれません。
その後、ろくに休みも与えられずに桶狭間に行くことを命令されますが、元康は大高城から動かないことを宣言します。ここの場面については、風間さんが「シンプルに"怒り"でした」と述べています。
「今川の家臣に自分たちが軽んじられていると感じ、桶狭間への出陣を拒否。演じながら感じたのもシンプルに“怒り”でした。一方、今川義元を倒した信長に対しては、尊敬と畏怖、親しみと憎しみなどが入り交じった、ある種の不気味さを感じているかもしれません」(風間俊介)#麒麟がくる pic.twitter.com/K4qLRHrglP
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) June 7, 2020
この場面では竹千代時代の「今川は敵じゃ…」と言う回想が入っていて、適当に扱われていることに対する怒りというよりも、それらを含めた今川そのものに対する怒りなのかと感じました。人を憎んで罪を憎まずの逆という感じでしょうか。
信長と帰蝶
信長は最初籠城だと言っていましたが、奇襲を仕掛けることに決めます。奇襲を仕掛けようという大胆な発想もすごいですし、それを実行するところもすごいと思います。また、闇雲に奇襲を仕掛けるのではなくて、人数をできる限り減らす手を打って博打だとしても成功する確率を最大限高めていたのも感嘆しました。
帰蝶は信長が奇襲を決めたときにかなり狼狽えていました。十兵衛が参陣したときも信長が行ってしまったことにかなり悲観していました。
信長が出る前に、ちょっと会わせたい人がいると側室の子を紹介し、自分に何かあったら育ててほしいとお願いします。。帰蝶としては奇襲のことで頭がいっぱいの場面で、側室の子のことまで打ち明けられて何がなんやらという感じだと思います。これ、普段のときに打ち明けられていたら修羅場になっていたと思いますが、そんな場面はあまり見たくありません。
信長が会わせたい人がいると言ったときに満面の笑みだったのですが、どういった心境だったのかちょっと想像がつきません(笑)
結末がどうなるのか分かってはいるのですが、善照寺砦で軍議を終えた後の出陣直前の織田勢は見ていて負ける感じが全然しませんでした。
義元
輿に乗って移動したり、乱取りをしていることを聞いて激しく怒ったりと高貴さがありました。ギリギリまで輿に乗っていましたが、それが奇襲が本当に急なものだったことを感じさせます。義元が輿に乗っていたことについてはTwitterに補足がありました。
第21回、ご覧いただきありがとうございました!
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) June 7, 2020
今週の「トリセツ」は・・・
・桶狭間の戦い
・今川義元は、なぜ「輿(こし)」に乗っていたのか?
・信長がうたった「敦盛」#麒麟がくる #公式_麒麟トリセツ
▼「第21回トリセツ」はこちら▼ pic.twitter.com/yyhg6Usp1i
義元が討ち取られて総崩れになってしまいますが、それだけ今川家の陣の運営が義元によるワンマン大名家だったことを感じさせます。
信長の野望の戦では敵の総大将を倒すとどれだけ軍勢がいてもその戦は勝ちになりますが、その仕組みはこういう感じだったのかもしれないなと腑に落ちました。
ふと、あの時代の大名や大将は合戦中に万が一討たれたときの想定ってしたりするものなのかと思いました。
義元のイメージがどちらかというと文官のイメージがあったため、自分で戦っている様子を見るのは新鮮でした。毛利新介に討たれるまで戦い続けた義元はかっこいい最期でした。
光秀と信長
義元を倒したことを報告する場面では、弱小高校が強豪高校を倒したようなそんな爽やかさがありました。
この辺の場面では、信長は帰蝶のことを母だと述べていました。
???「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」
この後どうするのかと十兵衛に尋ねられた信長は帰蝶のために美濃をとると言っていました。光秀はその答えでは飽き足らず、その後はどうするのか聞いていました。
この場面、自分の中でとても好きな場面です。ここまでの信長は大きな大義のためではなく"人に褒めてもらいたい"だったり"帰蝶を喜ばせる"といった個人的な動機がメインで動いていたように思います。それに対して十兵衛はこの人なら世を動かせるのではと以前から期待を寄せていて、美濃を取った後にどうするかという問いに対して信長は答えませんでしたが、「どうしたいかきちんと考えておいてほしい」という十兵衛の期待がすごく伝わってきました。(放送再開までに考えていくように!と宿題を出す先生みたいです(笑))
信長と十兵衛の今後をぼんやりと示しつつ、どうなっていくんだろうと見ていてわくわくする気持ちが沸き上がってきてとても好きなシーンです。
その他
・ほとんど話さず不敵な笑みを浮かべている佐久間信盛が不気味な雰囲気を醸し出していて良かったです。
・合戦の場面、特に毛利新介の場面は痺れました!義元を討った直後の雄たけびがとても良かったです。
・駒がお灸の常連客から何にでも効く薬の作り方のメモを渡されます。どう考えても今後に関係ありそうなので、このことがどう関わってくるのかは今後の見どころになりそうです。
おわりに
今回の回で作品の内容としても、また放送時期としても大きな節目を迎えました。当初から災難ばかりが降り続いているように思いますが、年を跨いで回を減らすことなく最後まで放送してくれるとのことで、とても嬉しく思います。
いくつかちゃんと見られていない回があるので、休止の間に時間があればその辺をもう一度見直してみるのもいいのかなと思っています。