先日、永青文庫にて2週間限定で行われているミニ展示「大名細川家のステイホーム ―永青文庫の漆芸コレクション―」に行ってきました。
よく考えたら、何度か永青文庫の前を通ったり通り抜けたりしたことはあっても、中に入るのは初めてでした。
現在基本的に週に1度の出社なので、出社日に半休をとって外出ついでに寄ろうと考えていましたが、運の悪いことに2週間連続で永青文庫の休館日である月曜日が出社日になってしまいました。仕方がないので別の曜日で半日だけ休暇をいただきました。
1週間前に休暇の申請をした後に新型ウイルス感染者が増加しているニュースを目にして、緊急事態宣言がもう1度出たらどうしようかとか、雨だったら面倒だなぁとかそこそこ大切な事とどうでもいい事で心配しながら過ごしていました。当日は無事に行けて、しかもほとんど雨にも降られませんでした。
展示品としては螺鈿細工や金箔銀箔がふんだんに用いられた日用品だったり、碁盤やかるたといった家で遊ぶ娯楽品等が展示されていました。 いくつか公式Twitterで紹介されていましたので、個人的に気にいったやつを取り上げます。
【大名細川家のステイホーム】
— 永青文庫 (@eiseibunko) June 30, 2020
梅雨に入り雨の多いこの季節。現在永青文庫では、紫陽花柄の、武士のお洒落アイテム・印籠を展示中!青ガラスが嵌め込まれていてとても綺麗です(原羊遊斎作)。 pic.twitter.com/LcJ7sKQN3e
アクセントの鳥がかわいいです。
【大名細川家のステイホーム】金箔を貼った小倉百人一首かるたです。かるたはうちで手軽に遊べるアイテムですね。なんと、本作は細川家2代・忠興筆と伝わります。
— 永青文庫 (@eiseibunko) July 4, 2020
扇面かるた/桃山~江戸時代(16~17世紀)#永青文庫 pic.twitter.com/Js4v3XUSGu
扇形で金箔が貼られた豪華なかるた札です。扇形ということで遊び心があって面白いなと解説を読んでいましたら、まさかの細川忠興の自筆ということでびっくりしました。展示された中で1つだけ読めて上の句も分かる札がありました。
他にも伊勢物語のかるたなどもあって、和歌のかるたは百人一首だけではないことを知りました(笑)
他にも化粧道具や提げ重、硯箱等が展示されていて、細かい所まで装飾がなされていたりしてどれも良かったです。また、細川家らしく展示品の所々に九曜紋が施されていていました。大名家ともなると日用品にも豪華な装飾が施されていてすごいなぁと感じておりましたが、よく見ると婚礼の記念品も多かったように思います。大切な記念品だからこそ大切に使われて現在まで残っているのかもしれません。
こういう装飾が施された日用品を見ると、安物を何度も買うのではなくて1つ凝ったものを大切に使うことに”その場では”憧れます(笑)
(一度だけ、ビニール傘ではなくてちゃんとした傘を買おうと決めて、それなりの傘を買ったこともありましたが、どこかに置いてきてしまいました。)
この展示は3階でしたが、2階では<細川家と明智光秀>と題したパネル展示が行われていました。ここでは掲題の内容と本能寺の変について解説されているとともに、3通の手紙が展示されてました。それぞれ個性があって面白かったです。
・信長→忠興への手紙
信長から忠興への直筆の感状です。でかでかと書かれていて豪快さを感じました。
・光秀→幽斎への手紙
本能寺の変を起こした直後に光秀が幽斎に送った手紙です。箇条書きで書かれていてビジネス文書みたいでした。
・秀吉→幽斎への手紙
本能寺の変のときの幽斎の動きを褒め、秀吉が幽斎に入魂の仲を希望する内容でした。まさかの秀吉側からの希望で驚きました。
展示を堪能した後、少し買い物をしてから永青文庫を出て、天気が悪くなかったので肥後細川庭園に行きました。こちらは通ったことはあっても長居したことはありませんでした。
出入り自由でこんなきれいな場所があるとは素晴らしいです。自分の家の近くにも欲しいです。(近くに引っ越した方が現実的ですね)
展示中はずっと立っていたり、最近は家に籠っていてあまり歩いていなかったこともあって、それなりに足が疲れていたのでベンチでしばらく休憩していました。
気がつくと何もせずただ外でのんびりしているだけで満足していました。元々こういう場所でのんびりすることは嫌いじゃないですが、久しぶりに出かけたことも大きいと思います。生活圏からちょっと出たところに行くだけで楽しみを感じられました。
家を出てから帰るまで実に5時間程度でしたが、非日常的な時間を過ごしてとてもリフレッシュできました。お休みを取って良かったと思います。